ほっとする味

先日妹と実家(と言ってもそう遠くない場所にある)に帰る。

夕飯の準備を手伝う。

親子で雑談しながらカボチャ・茄子・イカ・薩摩芋・ピーマンに天ぷら粉をつけてひたすら揚げていく。

母は料理が上手い。
きっとこれからも母の筑前煮とカレイの煮付けと味噌汁の味を超えられないだろうな、なんて考える。

そんな母が作った初めてのレシピ料理“豚肩肉とオリーブの白ワイン煮”。
娘に食べてもらいたかったらしい。普段は子供たちが各々実家を離れて暮らしているから、夫婦2人だけの食事。

そう考えてもやっぱりこのレシピは母“らしくない”料理。
オリーブ・白ワインをふんだんに使う料理なんてなかったもの。
でも何でこのレシピに挑戦したのか、その母の気持ちが痛いほど心に沁み入る。

もうそろそろまた父母私の3人暮らしもいいかな、なんてふと思う。
自由奔放にひとり暮らしをしてきた身でなにを犠牲に…というか今更また子供に戻る生活は無理に近い気がして
心が引けるのが正直なきもち。

でも、えいって戻ってしまえばそんなことどうでも良くなるんだろうな、と腹はある程度くくっている。

決断力が欲しい。